2015年 04月 26日
落語 百年目
落語『百年目』
ある大店の大旦那は
店を大番頭に任せ花見にと出かけた。
そこで、真面目で堅物だと思っていた大番頭が
陰で遊んでいた場面に出くわしてしまった。
「お久しぶりです。ご無沙汰を申し上げて・・」と大番頭に言われ、
なぜ毎日会っているのに、長らく会っていないような挨拶をされたのか
気になって眠れずに、翌朝大番頭を呼んで聞いてみた。
一方、大番頭は、
顔を見られてしまいこれが百年目と思い、怒られるだろうか、辞めさせられるだろうかと
こちらも眠れずに朝をむかえた。
大旦那は確信に触れずにこんな話をする。
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天竺に栴檀(せんだん)という立派な木があり、
皆が旅の途中足を止めては、その場で休んでいた。
その木の下に南縁草(ナンエン)という汚い草が茂っていた。
ある時、
そのナンエン草が目障りだと抜いてしまった者がいた。
そしたら、栴檀も枯れてしまった。
調べてみると、栴檀はナンエン草を肥やしにし、ナンエン草は栴檀の露で
育っていた事が分った。
栴檀が育つとナンエン草も育つ。
栴檀(せんだん)の“だん”とナンエン草の“なん”を取ってだんなん。
それが“旦那”になったという。こじつけだろうが、
私たちもそうでないかいと大旦那は言う。
お前がナンエン草で私が栴檀。
そして、店ではお前が栴檀で下の者がナンエン草。
栴檀は元気がいいがナンエン草は元気がない。
少しナンエン草にも露を降ろしてやって下さい。と説論する。
大旦那は、どれ程信用し、安心し、任せきたのかを話し、
大番頭のような者を育てて欲しいと話す。
私は子供がいないので、ゆくゆくはこの店を任せようと決めていたが、
自分の店を持つようにしなさいと話す。
それまでに露を降ろして下さい。と
噺の解釈は私にはこう思いました。
たぶん聞く人よってもとても違う噺だと思います。
上司と部下。師匠と弟子。夫婦でも例えが出来ると思います。
毎日違う百年目だとの事でしたが、
今日盛岡劇場はどうでしょう。
今まさにその場面の時間。
覗いてみたいと思ったのは私だけではないと思います。
難しいそして楽しい噺でした。
by sakuraheart
| 2015-04-26 15:57